うらばなし

依「相変わらず、冬月くんは冬月くんね」

ド「……」ブルブル

依「渉くん見るのは、まあ良いと思うけど。他のお客さんもいるんだから、覗きはダメだよ」

冬「なにぃ、姉さん。僕が他の奴の体見るのに嫉妬しとるん!?大丈夫どすえ、兄さん姉さんわたるんはん以外の物は、ぜーんぶ、カボチャに見えるさかい」

ド「……」ボクモ?

冬「アトランティック・ジャイアントやね」
※世界一大きなカボチャの種類

依「一人一人品種が違うカボチャなの!?」

ド「……」ワーイ

依「ドラちゃんはカボチャ扱いされて喜ばないっ」

冬「なっ、あのわたるんはんにおぶさる、アトランティック・ジャイアントはーーちいっ、あの女!あの脂肪の塊切り落として、下水に流してやる!」

依「待った待ったー!血祭りしない!秋月くんとの約束破るの!?」

冬「せやかて姉さん、見てみぃ!アトランティックを背中に押し付けられて、さすがに動揺するわたるんはんから離れようとしないあの小娘っ。他に入浴している奴がいようとも、お構いなしに見せびらかして、言い逃れできない既成事実を作りあげようとしているんだ!助けなきゃっ、助けて、今度は僕がわたるんはんと、クッ」

依「うわー、冬月くんいなくても温泉が血の海に。鼻からそんな血液出して、大丈夫なのかしら」

冬「姉さんダメや!アトランティックを見て、鼻から血を流す間抜けな男なんか見たらあきまへんどす!見るならわたるんはんや!大好きな姉さんなら、わたるんはん見てもええよぅ?」

依「見ないわよ。ともかく、ダメ。行かないで」

冬「っっ!い、行かないでって、そ、そんな、やっぱり僕が行くと寂しいんだね!」

依「せめて秘湯まで案内ーーへ?」

冬「行かへん、姉さんがそう言うなら行かへんよぅ!」(ぎゅー)

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