うらばなし
「君が書くのを止めないのは知っている。薄れることがない熱情さえも。だがしかし、『この場所』。君自身が『出演者』となる場所はーー“果たして有ってもいいものか?”」
見透かしが……
「私は出来ることをしに来たのだよ。迷う君も、こうして話せば、嫌でも決めなければならない。迷いは苦痛だ。決断するまで思い悩む君が可哀想でね。かの姫君一行と話し、一時の安らぎを得る。しかしてそれは、わざわざ『書いて見せるべきものなのか』、そういった迷いを抱えるのも分かるよ。本来、作者は表に出てはいけない。ましてや、出演者と共演などとーー」
そう、ですよ。考えてはいましたが、誰かに言われると、身に染みますね。
裏話は、私がいずとも、姫たちだけでも出来ますから。
「その決断に“寄っていた”からこそ、私がここにいるのだよ」
へ?
ハ「やだっ!おねにいさんと、いっぱい話したい!ここなら、いっぱい話せるもん!話した後も、“残るもん”!いっぱい見せびらかすんだっ、おねにいさんと話せるボクを!」
は、ハーメルン……
ハ「おねにいさんがいなきゃイヤっ!」
「これは本音だよ、私が保証しよう。さて、私からの話をすれば、ここは君だけの憩いの場ではなく、“皆”の憩いの場でもあるのだ。君が『出演者』になっていることを好ましく思っていない輩がいれば、そもそも、読まれてはいないだろう。
第一に、書く者として、こうしたやり取りを君の記憶にしまい続けるのは我慢ならない筈だ。空想だろうと経験だろうと、書きたいと思い、書いた君を誰が責められよう?
ありとあらゆるモノを書いてこその君だ。自分自身でさえも作品に出来てしまう、作者なのだよ、君は」