うらばなし

ーー

カルツに聞きました。

「一晩中語れるけど、ダメ?時間ないのか、仕方がない。思い出に強く残っているとすれば、冬の寒い日、二人で寄り添い寝ていた時のことだ。寝ぼけたミナナが俺に抱き付いてきてね。むにゃむにゃしながら、『湯たんぽ』って言ったんだ。ぎゅうっと抱いてくれたあの時が嬉しくて、その日からしょうが湯や辛いものを過剰摂取したものだ。ミナナの最適な湯たんぽになれるよう、体温上昇に努めたよ」

「そういえば、一時、やけに暑苦しい時がありましたよね、あなた……」

「暑苦しいだなんて、嫌だったか……。いや、それでも、口に出さずに俺の抱き付きを許容してくれただなんて!優しいな、ミナナ!知らずとデレていたんだね!」

「拒む暇なく抱きつくからですよ!」

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