うらばなし
史上最強の恋人、雛ちゃん
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雛「もしもし、紅葉ちゃん!?ど、どうしようっ、この前、『あなたの幸せを願わせて下さい』って言う男の人と、『それならぜひ、紫暮さんの幸せを』ってことでお茶したことが彼にバレちゃった!すっごい怒ってるよ!」
紅葉『あたしの分も含めて、紫暮さんに怒られなさいバカー!』
雛「ご、ごご、ごめん!さすがに壺を出されたから逃げ出したんだけど、連絡先教えちゃって、その人からすっごい電話がかかってきたものだから、彼のこめかみに青筋が!」
紅『どこの男よ!マスメディアと警察使って、完膚なきまでにしてあげるわ!』
雛「それはもう、彼がやってくれたんだけどっ」
紅『くっ、さすがはヤンデレねっ。なら、解決!彼に怒られて、もう二度と変な人とお茶しないことねっ』
雛「ううっ、笑顔なのに、怖いんだよ!?堪えられないよっ。私が悪いのはよく分かっているから、三日三晩そんな彼と一緒にいたのに、引っ越し屋さんに電話してもまだ、怖いままなんだよ!?ど、どうしよう、紅葉ちゃんっ!大学行けなくなったら、紅葉ちゃんに会えなくなっちゃう!」
紅『そーゆーことなら、先に言いなさいっ!全力で助力するわ!まず一つ目っ』
雛「なにっ」
紅『電話かけるなら、紫暮さんの隣から離れなさい!電話越しでも分かる気配がするわ!』
雛「分かった、やってみる!し、紫暮さん、電話したいので、この手錠を……」
紫暮「まさか、外してほしいとか?そんなわけないよね?雛、反省しているんだろ?なら、きちんと罰を受けなきゃ」
雛「ひゃあっ」
紅『カメラ持って駆けつけたくなるシチュエーションしないっ!電話を握り潰してしまうから!もしもし、もしもしもしもし、もしっもーし!雛、とりあえずトイレだの何だの言って、手錠外してもらいなさい!』
紫「君の声も丸聞こえなんだけど」
雛「紫暮さ、ん、その、と、トイレに……」
紫「雛、準備は万全だよ」(にっこり)
雛「なんのです!?」