うらばなし
ーー
紫「ただいま、雛。クリームパン買って来たよ」
雛「わあ、クリームパン!ーーあれ?たい焼き頼んだような……」
紫「それよりも、雛。何で、玄関先にいるのかな?もうしかして、逃げるところだった」
雛「ち、違いますっ。その、えっと」
紫「なに?」
雛(びくっ)
紫「どうしたの、雛。言いたいことがあるなら、きちんと言うんだ」
雛「あ、あの」(びくびく)
紫「他の奴の前じゃ喋りまくっているのに、俺の前じゃだんまり?話してよ。時間は死ぬまでたっぷりとあるんだから」(にっこり)
雛「っっー、ご、ごめんなさい!」(たいあたりっ)
紫「ととっ」
雛「あ、れ。押し倒されてないっ」
紫「……」(とりあえず、倒れてみる)
雛「あ、良かった、これで」(よいしょ)
紫(俺に跨がって、何するんだ)
雛「ゆ、許して下さい。もう」
紫「許さーーっっ」
雛(恥ずかしい、恥ずかしいけどーー紫暮さんが許すまで謝って、許さないって言うなら、ちゅ、ちゅーを繰り返せばいいって!)
紫「雛、こんなので、許すはずが……っ!」
雛(ど、どれぐらいやればいいんだろ。ゆ、許すまでかな)
紫「雛、まっ」
雛(まだ許さないって、言われる!も、もう一度)
紫「待って、は、話をしーー!」
雛(話をしたくないほど、怒っているんだっ!や、やだ、紫暮さんに嫌われたくない。もう一度!)
紫「もう、いいから」(ぜえぜえ)
雛(も、もういいだなんてっ!私との関係が!?そ、んなっ、私はこんなに紫暮さんが好きなのに、もう一度!)
紫「ちがっ、怒ってなんかいなっ」
雛(何度もすれば、絶対許してくれる!頑張れ、私!)