うらばなし
「私に名前があることに皆さんびっくりしているでしょうね」
もう姫ですよ、あなたは。そちらの方が親しみありますかね、私は。
地の文を書くときもビルディとは使わず、姫と書いてますから。
「私の紹介文で、今現在は、の部分はなんだか昔は鬼畜的存在だったと誤解されそうな気がするのですが」
どう表現しようか迷いましてね。だって、姫、昔は、ねぇ……
“慈愛の女神”は昔も今も変わらない呼称でしたが、みんなが知らないところで。
「私の大きな罪ですね。そちらも私の本質の物語でしか語れないとは思いますが……それにしても、プロフィールというよりは、まるであなたが見た私たちの紹介みたいですよね、これ」
先も言った通りに、あなたたちは“独り歩き”をしている。
プロフィール云々と言いましたが、また改めてあなたたちを見ると“成長した”と言いますか、なんというか、もうプロフィールという枠に収まらない部分も出てきたもので、“私が見たあなたたち”になったわけですよ。