うらばなし

「もう、いやです。大好きなリヒルトさんの血を飲むのが!」

「そうは言ってもねぇ、飲まなきゃトトちゃんが餓死しちゃうからねぇ。今でも血が飲みたくて、ウズウズしてると思うけど?」

「うっ……。でも、こんなの……。化け物ですけど、人じゃない吸血鬼ですけど、それでも、リヒルトさんと同じ人の心は持っていたいんです……!何よりも、噛みついたら痛いじゃないですか!」

「痛いも気持ちいいになるトトちゃんのちゅーちゅーなんだけどねぇ」

「痛いの好きな人種なのですか!?」

「トトちゃんが攻めてほしいなら、そっちにもなれるよ。ま、トトちゃんは痛いの嫌いだからこそ、他人を傷つけるのも嫌いに繋がるのだろうけどねぇ。んー、どうあっても、君の食事に人間の血はつきものだ。僕から摂らずにいたら、一週間ほどでミイラだよ。僕と離れたいの?」

「離れたくないです、ずっとリヒルトさんと一緒が良いです!」

「熱血かつ直球的な告白するトトちゃんには、後であまーい返事でもするとしてーーだったら、どうする?」

「……だったら、せめて、リヒルトさん以外の誰かから」

「却下」

「しないで下さいっ。リヒルトさんに痛いことしたくないんです!」

「痛くないって、何度言えば分かるかなぁ。というか、君の体で証明してあげてるような気がするけど。『いやぁ』から『もっと』まで、ものの数分かからないだろ?」

「きゃーきゃー」

「はいはい、言わない言わないごめんなさい。けど、これで君の悩みは解決。ほら、早速食事してごらん」

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