うらばなし

ーー

姫「ストップ!」

はい!?

姫「おやおや、誰とも分からずに止まるとは。もしも私が通り魔だったらどうするのです?」

蝶ネクタイ型変声機が存在しない以上、姫の声を間違えるわけないじゃないですか。

姫「ズサッ」

姫であっても通り魔!?
血糊ないんですから、背中から体当たりされても。

姫「では、周り右を」

はい。

姫「ぎゅうっと」

っっっ!
ひ、ひひひ、姫!?

姫「私も嬉しくなるプレゼントですねぇ」

ああ、私めの誕生日を覚えて下さってーーあれ、何だか、瞼が……

姫「ゆっくりとお休み下さいね」

……。

姫「ミッション・コンプリートです」

ロ「寝かせてどうするんだ……」

姫「ああ、ロード。お日様の香りするお布団をかけるのは、少し待って下さい」

ロ「……」ピタ

姫「この状態ならば、誰もが空波に触れてくれるはずです」

ロ「何がなんだか……」

姫「実際に証明しましょう。さて、空波の口元にケチャップをつけて、と」

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