うらばなし

ーー

姫「さて、次の一押しさんはーー」

ロ「ビルディ」

姫「はい」

ロ「思ったことがあるんだが」

姫「私の思ったことを話すならば、ロードに名前呼ばれるとドキドキしてしまいますねぇ。私を名前で呼ぶのは、あなたぐらいなものですから」

ロ「俺だけが許されることだと自負しているよ。ーーで、だ。俺の思ったことなんだが、プレゼントって言うのは、渡された当人が嬉しくなる物だろう?」

姫「ええ、物でも思いでも、渡された人ーー果ては渡した方も嬉しくなってしまう物が好ましいです」

ロ「そうして、今のあいつは人肌を求め、君は曲がりなりにもそれをプレゼントしている。概ね、君の予想通りに事が進んでいるから、与えた方はそれで嬉しいわけだが」

姫「空波もきっと、みんなが優しくしてくれたと知れば嬉しいはずですよ」

ロ「『知れば』、だろう」

姫「……」

ロ「寝ているあれを抱き寄せたところで、夢に出てくる訳がない。端的に言えば、今現在のあれは、喜んでいるか?」

ぐー、ぐー。

姫「寝てますね」

ロ「その通り」

姫「流石は、ミッション・インポッシブル。一筋縄ではいかない」

ロ「そうさせたのは、君自身だと思うがな。最初から大人しく、ケーキの材料を買って、祝いたい奴だけ集めて、各々プレゼントでもあげれば良かったんだ」

姫「そうします。まだ間に合いますね」

ロ「ああ、だからーー」

姫「!」トゥンッ

ロ「君のその仕様は、いったいいつまで続くんだ。ーー分かったから、引っ張るな」
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