うらばなし
あなたの願い事は何でしょう?
彩芭「ちょっと、お手洗いに行ってきます」
クルキ「気をつけて行くんだよ、彩芭。変な奴に絡まれたら、すぐに呼んで」
彩「スーパーでナンパする人なんかいませんよ」
ク「そうかな。俺は彩芭がいたら、真っ先にナンパしちゃう」
彩「ナンパされるのはクルキさんの方です。来るまでに、晩御飯なに食べたいか考えて下さいね。『彩芭の手料理なら、何でも可』は禁止です!」
ク「善処します」(クスクス)
ーー
彩「お待たせしました。あれ、クルキさん、何しているんですか?」
ク「ああ、うん。なんか目についちゃって」
彩「短冊?ああ、七夕かぁ」
ク「ご自由に、って書かれていたから俺もやってみたんだけど。子供のしか飾ってない」
彩「『看護婦さんになりたい』『テストで百点取りたい』『ハムスターを飼いたい』、スーパーの七夕(イベント)じゃ、確かに子供専用になりますよねぇ」
ク「今までこんなの……七夕とかクリスマスとか、そんな行事どうでも良かったのだけど、彩芭と一緒になってから見方が変わったよ。ついつい、こんなの書いてしまうほど。“楽しむことが出来る行事”になったんだね」
彩「なんて書いたんですか?」
ク「俺がいつも彩芭に言っていることだよ」
彩「『ずっとそばにいたい』、私も同じの書きます」
ク「本当に?嬉しいな」
彩「願わなくても、もう叶っていることですが」
ク「なら、笹に飾らずに、彩芭が書いたのを俺が貰ってもいいかな」
彩「え?いいですけど、どうするんですか?」
ク「部屋に飾るよ。大切に、彩芭がこんなことを願っているんだと、見ていたい」
彩「そういうのって、いつの間にか無くなってしまうんですよねー」
ク「額縁に飾れば平気だよ」
彩「またまたぁ。はい、どうぞ」
ク「ありがとう。ああ、後、今日の夕食だけど」
彩「何がいいですか?」
ク「『何でも食べたい』。彩芭の手料理、何でも沢山、全部食べたいな」
彩「それ、やっぱり『何でもいい』と変わりないような」
ク「彩芭バイキング」
彩「クルキさんって、たまに面白いこと言いますよね。ーー分かりましたよ。ありったけの材料買うんで、荷物持つの手伝って下さいね」
ク「ありがとう」