うらばなし

ーー

猫耳と言えばーっ。

「黒猫耳っ」

菜&空「「いえーぃ」」(挨拶)

さて、出会い頭の挨拶もそこそこに、お久しぶりです、菜子。

菜「はっ、なんかついつい挨拶しちゃったけど、誰!?知らない人と和気あいあいしたら、また灯籠に怒られるじゃーん。ま、危ない人には見えないからセーフだよねー」(背中バシバシ)

そ、そうでした。菜子とは初対面。ですが怪しい者ではーーいたいいたい。

菜「んー、初対面のはずなのに、なんか初めてじゃないようなぁ?私のコレクションあげたくなっちゃうよ!はい、白猫耳!黒は灯籠用だからねっ。ご利用は計画的に!」

ええ、ご利用はクロスにでやりたいと思います。

そんな私からは短冊をば。

「もう書いたよ。これから笹に吊して来るんだー」

もしや、そのエコバックの中身は!

「『彼氏が黒猫耳つけてくれますように』の短冊百枚!」

さすがは猫耳マニア!そこまで願えば、きっと今年こそはつけてくれるでしょう!


「ねー。だから、笹の一番高いとこにーーあれ?」

どうしましたか?

「これ、私が書いた短冊じゃない!」

『人の顔を見る度に猫耳言い出すことがなくなりますように』

「うわっ、灯籠の字だ!ああっ、さっき灯籠のベッドで昼寝していた時にすり替えられたんだーっ」(エコバックひっくり返す)

『人に会う度に猫耳を持ち出すことがなくなりますように』『早く真人間になりますように』『人の寝込みを狙って猫耳をつけようとしませんように』『遠近法を利用して、さも俺が猫耳つけていると騒ぎませんように』

ものの見事に、全部、彼の願い事になってますねぇ。

「ちょっと抗議してくる!怒ったよ、これは!猫耳つけてくれるまで、許さないんだからー!」(タッタッタッ)

笹に吊しませんでしたから、菜子の願いは今年も叶わないでしょうねぇ。ーーん?


『これからも、菜子のそばにいられますように』


これだけは、笹に吊しましょうか。

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