うらばなし

ーー

(可愛い、いつ見ても可愛い。頭からつま先まで非の打ち所がない。何でこんなに可愛いんだか。ここまで来るのに、本当に男に言い寄られていないか、雛は嘘をつかないからそうだと断言出来るけど、この服で後日出かけたら高確率でナンパされるだろう。やっぱり、今度から待ち合わせじゃなくて迎えに行こう。それからデートで、ああ、でも、今通り過ぎた奴雛のこと見ていたな。彼氏がそばにいても、視界潰さない限りこの姿は見られてしまう。迎えに行ったら、そのまま雛の部屋で過ごそう。もしくは俺の部屋か。もういっそ同棲したいが、駄目か、駄目なのか、何がいけない。言っても断られると分かっているからこそ、言えない。こんな可愛らしさの塊が、のうのうと出歩くのが間違っているのに。俺のところなら、大切に保管出来るのに、駄目なのか。紫外線で簡単に焼けてしまう白い腕を二の腕まで出して、日差しでさえも毒なのに。他の奴らが吐いた空気が蔓延する外に何で出たがる。雛となら、何十年牢屋に入れられても幸せだとずっと笑っていられるのに。ああ、また見られているな。肌も赤くなってきたような、日焼け止め塗ってないのか、ますます無防備な。近くの薬局は、赤ちゃんの肌でも使えるとか書いてある日焼け止めがほしい。後、殺虫剤もほしい切実に。虫除けスプレーが、雛に近づく男にも作用すればいいのに。何もかもが無理な話か。外に出てのデートは雛希望で、この服も、今夜は帰さないでとの主張の表れなんだろうし。そうしよう、色々言いたいことあるけど)

雛「し、紫暮さん!こ、この服どうですか?」

紫「可愛いよ」
(一生、帰したくないほどに)

雛「!!は、はい!」

紅「騙されちゃダメよ、雛!あたしのヤンデレビューでは、その男、どす黒いこと考えているわ!」

紫「そうしてカメラ片手の君は、ピンクなことしか考えていないのが丸分かりだ」



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