うらばなし

骨「まてまてまて!」

チロ「なんすか?」

骨「俺の威厳を知らしめるために気付かなかったが、どこだここ?枯れ木しかねえ森の中なんてーー野郎!デコトラの運ちゃんめっ!さては、轢いた後に俺を森に捨てやがったな!ま、そうなる気持ちも分かるわー。ほら、俺って人気ありまくりの、世間に影響を及ぼすびっくな存在だからなー。慰謝料億どころじゃ済まねえよ。溝出ふぁんのみんなにフルボッコだわー。こりゃあ、証拠隠滅ーー超大作みすてりーが出来るような完全犯罪しなきゃなんねえわー」

チロ「いえ、ここは地獄っす」

骨「ひゃひ?」

チロ「骨さん死んだんすねー。ご愁傷様ーっ。きっと、あなたのお墓の前では大勢の人が泣いてますよ!みんなから好かれていたんですもんねっ」

骨「い、いやいやいや!どっきりでした、でオチんだろ?鬼畜共に斬られ、潰され、すられ。鯉や犬の餌にされ。土に埋められ、焼却炉で燃やされ、海に撒かれても死ななかった俺が、デコトラに轢かれたぐらいで死ぬはずないだろ!」

チロ「それこそ、ミステリーっすね!」

骨「じっちゃんの名にかけても解決出来ねえよ!?おろろーん!地獄だなんてっ、地獄だなんてっ!俺、そんな悪いことした!?鬼畜お面どもの方が、そーとーえげつねえことしてんじゃんかああぁ!」

チロ「またまたー、見るからに極悪そうな骨さんじゃないっすかー。きっと、人を痛めつけて喜ぶ人種さんなのでしょう」

骨「だからそれは、あの狐面共なんだよ!おろろーん、神様間違ってんじゃねえよおぉ!俺様は、どうあっても天国だろうがっ!天国で、ひもびきに着た女神たちに囲まれるべき魂だろうがあぁっ!」

チロ「神様も、賢明な判断をされたんすねー」

骨「どうすれば、元に戻れるんだ!」

チロ「えぇー。骨さん悪人なんすよね?なら、手前は協力しませんよ。手前が助けたいのは、間違ってここに来たやさしー人たちっすから!」

骨「やさしーって!犬(ポチ)の遊び道具に自分の肋骨を使うほど優しーって!何よりも、あっちには俺の帰りを待っている奴らがいるんだ!

例えば、わたるん!あいつの呪いを解いたのは、何を隠そうこの俺!わたるんは俺に足向けて眠られねえぜえ?後は、ロリ巨、俺の頭抱かなきゃ眠れねえ女だ!

そうして狐お面ども!俺がいないもんだから、今頃きっと泣き喚いていんだろうよぅ。他にもだ!俺はとある学園の理事長をしていてな。おっと、正規の理事長は影武者だ。びっくな存在は常に影武者を使うもんだからなぁ。あんなデカい学園を仕切るへっどが表に出るわけがねえ。学園に何かあれば、俺が対処してんだ!この前なんか、生徒狙う白い爪ーーあれ?黒い爪か、黄色い爪か?ともかくも、なんか色ついた爪がおいたしたもんだからよう、俺様が体張って止めたんだぜぇ!

どうだっ、俺ほど世のため人のためな奴はいねえぞ!だから、速やかに元の場所に戻れる方法を教えろやあぁ!翼もぐぞ、ェアーン?」

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