うらばなし
ーー
トト「今日はハロウィンです」
ラズ「ワンッ」
ト「ラズは犬ですから、狼の真似しましょう。狼男の真の姿です!」
ラ「ワンワン!」
ト「ハロウィンは人々を怖がらせてお菓子を貰うイベントなので、ラズ、怖い子にならなきゃいけないんですよ?」
ラ「ヴーッ」
ト「ひっ!ら、ラズ、わ、私にじゃなくて、お菓子くれそうな人に」
ラ「バウバウバウバウッ!」
ト「ごめんなさいっごめんなさいっごめんなさいーっ!」
リヒルト「ラズ、外に出ていろ。トトちゃん怖がらせてどうする?」
ラ「クゥン」
ト「リヒルトさーん!」(すがりつきっ)
リ「怖かったねぇ。ほら、トトちゃん。お菓子あげるから、泣き止んで」
ト「いいんですかっ」
リ「パウンドケーキ作ってみたんだ。はい、あーん」
ト「あーん」(パクッ)
リ「美味しい?」
ト「はい、すごく!ーーあれ、この味」(むぐむぐ)
リ「美味しいのなら良かった。やっぱりトトちゃんの好物は、僕の血液なんだねぇ」
ト「パウンドケーキじゃないんですか!?」
リ「パウンドケーキだよ。ただそれに、僕の血液をたーんと混ぜただけで」
ト「リヒルトさんの血液飲まないって言ったじゃないですかー!」
リ「トトちゃん、今飲んでいる?」
ト「あ、パウンドケーキですから食べてますね!ーーじゃなくてっ」
リ「ほら、トトちゃんのためにたくさん焼いたんだ。全部、残さず食べてねぇ」
ト「こ、こんなに沢山っ。り、リヒルトさん!いったいどれだけの血液を使ったんですか!?」
リ「人間がどれぐらいの血液を使えば死ぬか分かるかな?」
ト「うわーん!」
リ「泣かなくてもいいのにねぇ。ああ、もうお菓子を作らないいい方法があるよ」
ト「ぐすっ、ずびっ、ほ、ほんとですか」
リ「トリートオアトリック」
ト「へ?」
リ「トトちゃんが僕にイタズラしてくれるなら、お菓子は作らないよ。出来れば、入念なイタズラを、ねぇ」
ト「分かりました!油性ペンを持ってきます!」
リ「さて、次はクッキーでも」
ト「何でですかあぁ!」
リ「イタズラの意味を履き違えているから」