うらばなし
ーー
シュヴァルツ「いいなー、ユーリちゃんはぁ」
ユリウス「何がですか?」
シュ「シィちゃんに好かれてて。きっと、かっこいいシィちゃんから可愛いシィちゃんまで、なあんでも見放題なんだろうなぁ。羨ましいー」
ユ「見放題って、そ、それは、シブリールさんが私の半径二メートル以上離れられないとか変な呪いかけたからですよっ!」
シュ「そんなシィちゃんが見当たらないんだけど?」
ユ「朝の着替えのさい、『気にしなくていいよ。見ているだけだから』とか言いましたので、私の中に一時入ってもらっています」
シュ「あー、俺も少し早く来ればユーリちゃんの着替え見れたのかな。ついで、そんなユーリちゃんを襲うシィちゃんも見られて一石二鳥になったらもっと良かったのにぃ」
ユ「何を期待しているんですか……」
シュ「俺が知っているシィちゃんはねぇ、まあ、一言で言えば『無表情』。笑うとか怒るとかしなくてさぁ、無愛想だなぁと思っていたんだけど。ユーリちゃんと会ってからその印象が、がらりと変わったんだよねぇ。だから、もっと色んな顔を見たいと思うんだよねぇ」
ユ「シュヴァルツさんは、本当にシブリールさんのことが好きなんですね」
シュ「好きだよー。後ろから組み伏せてぇ、ちゅーちゅーしたいね」
ユ「……」
シュ「もー、ユーリちゃんは冗談が通じないなぁ。血の話だよ。シィちゃんの血液って、人間のそれとは違うから。さっすがは、魔導師!骨の髄までむしゃぶりつきたいの先は、少しずつ毎日永久に味わいたいって思わせてくれるんだからぁ。朝も昼も夜も、俺はシィちゃんのことしか頭にないね」
ユ「……」
シュ「引かない引かない。ま、ともかく、シィちゃんは好きだ。表情豊かなシィちゃんならもっと好きだったりする。あー、今は可愛いシィちゃんが見てみたいなぁ」
ユ「可愛いシブリールさん……。私も見たことありませんね」
シュ「うっそ。ならさぁ、二人で見ようよ」
ユ「見ると言っても、いったい」
シュ「簡単だよー。ユーリちゃんが協力してくれれば」
ユ「何をすればーーきゃっ」
シュ「うわぁ、ユーリちゃん。すっごくいい匂いする」
ユ「な、なななっ、何してーー」
シュ「何って、前から抱きしめているだけ。両腕はユーリちゃんの腰に回しー、髪と首筋の匂いを堪能しー、耳元で囁いているだけー」
ユ「事細かな解説までは要りませんっ!ま、はなしっ」
シュ「この状態でシィちゃん出てきたら、きっとヤキモチ焼くだろうなぁ。ね?シィちゃん呼びなよ。じゃないと、もっと凄いところ触っちゃうよ?」
ユ「っっー!」