うらばなし
ストーカーじゃないヤンデレトーカーなだけ
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分福「どもーっ、妖怪テレビ『人間界より面白いがモットー』のNOM放送局から来ました、分福(ぶんぶく)と申します!先日、妖怪界で起きましたテケテケさんが女子高生をストーカーした事件に便乗し、人間界でのストーカー特集をやりたいと思い馳せ参じましたっ!」
冬月「なんや、このタヌキ」
分「あっしのネッツワークによると、妖怪退治屋である冬月さんは、何でも、わたるんさんのストーカーだそうでっ!いやぁ、これがストーカーの顔なのですね!狐みたいな顔です!1キャメさん、そのお顔ズームアップ!」
1蚊メ(プーン、と)
冬「……」バチン
分「1キャメさあああん!」
冬「あんさんら妖怪に、僕の顔見せるわけないやろうに。僕の狐面を脱がしていいのは、わたるんはんだけどすえ」(あっきー、よりちゃん脱がせ済み)
分「あ、お面なんですね!スキュープっ、ストーカーさんはお面被って素性を明かさない!2キャメさんっ、お面ズームアップ!」
2蚊メ(プーン)
冬「……」バチン
分「2キャメさあああん!」
冬「しつこいタヌキどすなぁ。斬ろうか」
分「斬る前に、ぜひともわたるんさんへのストーカー行為をお聞かせ下さい!あっしは、スキュープに命かけるキャスターなんで!」
冬「ストーカーやなんて、僕は単に使命を全うしているだけどすえ?世の悪から、か弱く愛らしく時には凛々しくもあり、健気なわたるんはんを守るために、そばから離れんだけどすえ」
分「ああ、テケテケさんも似たような供述をされていましたね。人をストーキングするのは、己が使命。人間共を追い回し、恐怖のどん底にたたき落とすのだー!と仰っておりました!」
冬「ふん、僕はわたるんはんの笑顔を守るんが使命どすえ。わたるんはんを泣かせはしない、何人たりとも。そうして、わたるはんの極上の笑顔は何人たりとも見せない。あれは僕の前でしか出しちゃいけないのに、あんな顔、想像しただけでも見とれてしまう朗らかな笑顔は、僕の、僕だけの……クッ」
分「ふむふむ。つまりは、冬月さんはストーカーではないと?」
冬「わたるんはんは、僕を嫌がったりしまへんえ」
分「なるほど……、いや、ちょっと待って下さい!あなたの性別次第では、とんでもないスキュープ!『衝撃!わたるんさんは、男もいけた!』みたい特集組めますよ!性別はどちらです!?」
冬「どっちにもなりますえ。僕の愛する人次第で、下でも上でも」
分「あ、今のはキャットしますね。放送コードに引っかかりますから」