うらばなし
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分「どもーっ、妖怪テレビ『人間界より面白いがモットー』のNOM放送局から来ました、分福言いますーっ。早速ですが、ここはどこでしょうか!?」
ユリウス「し、シブリールさん!た、タヌキっ!喋るタヌキがいますよ!二足歩行で!ちっちゃい!」
シブリール「本当だ。誰かの使い魔かもしれないな。ユリウス、危険だからそれに近寄らない方がいい。俺に抱きついて、守るから」
ユ「手を腰に回さない!」(べしっ)
分「藤馬さんに蹴り飛ばされただけで、三千里に飛んでしまったのでしょうかねぇ。ま、いいでしょう!あっしはキャスター!北は北極、南は南極!妖怪界に旬なニュースを提供するために、どこへでも行きます!」
ユ「迷子なの?親御さんと連絡出来る?」
シ「子供の扱い手慣れているね、ユリウス。俺との子供が出来た時のことを考え、イメージトレーニングしていたか。俺もだよ、ユリウス。主に八人目までどう作っていくかのイメージトレーニング、ぶはっ」
分「迷子ではありません!あっしは、キャスター!どこへ行こうともインタビューします!尽きましては、この近くにストーカーさんはいますか?」
ユ「……」
シ「どうしたんだ?俺をそんなに見つめて」
ユ「自覚して下さい」
分「で?いるんですか!」
ユ「うーんと、いたとしても、タヌキくんが関わってはいけない人種というか。身内の恥を晒すわけにも……」
分「インタビューして下さるなら、あっしの体を好きにして構いません!ニュースのためなら、体も売ってこそのキャスター!さあ!」
ユ「実は現在進行形で、私のストーカーをしているのがこの人です」(タヌキ抱っこ!)
シ「ユリウスに身売りされたか」
ユ「わー、わー」(頭なでなで、お腹わしゃわしゃ、指先ふにふに、頬すりすり、尻尾さわさわ)
シ「上機嫌だねぇ、ユリウス」
分「して?ストーカーたるお兄さん!ストーカー行為を働く、その心意は!?」
シ「はっ、ストーカー如きと一緒にするな。俺は、それ以上だ」
分「な、なんと!?」
シ「ユリウスが寝ている間に、俺の魔導(力)全てと、己が肉体を犠牲にすることで、彼女の一部となれた現在。彼女の半径二メートルでしか行動出来ない強制を設けることで、否応無しに彼女と24時間を共に出来る。添い寝から始まり、添い寝で終わる。日常的に起きるハプニングすらも、彼女の一部となった今、それは仕方がないと認められるもので」
ユ「認められますかああぁ!」
分「おおっ、華麗なるアッパー!1キャメさん、ズームアップ!お姉さん、次はバックドロップで!」