うらばなし
ーー
園木「あ、あの、倉石さん。夜に突然、来てしまってすみません!」
倉石「……」
(夜だろうと昼だろうと、俺は24時間営業中!例え、夜中にアイス食べたくなったとしても、あなたのためならコンビニ営業!雪降る寒い日でも、十年に一度の大雪と言われる日でも、パシられます!)
園「仕事帰りで、明日も仕事で、疲れているのに……。でも、私、どうしても会いたくなって」
倉「……」
(疲れなんか、あなたの顔見た途端になくなった!明日仕事でも関係ない。仕事休むためのインフルエンザ診断書は用意出来ているから!)
園「いきなり来たのは、その……な、何だか、急に会いたくなって。倉石さん、わがまま言ってもいいですか?」
倉「……」
(むしろ、わがままして!ベランダから飛び降りるとこ見たいなともなれば、俺は全裸で飛び出そう!)
園「あまっ、甘えさせて下さいっ」
倉「……」
(甘えてくれるのおおおぉ!?)
園「って、これじゃあ子供みたいに……!え、えっと、ただ、倉石さんを抱きしめたり、抱きしめられたりだけでいいんです!つ、疲れているのにごめんなさい!で、でも、最近、あんまり会えないから。寂しくなって。甘えても、いいですか……?」
倉「……」
(俺も寂しかったああぁ!そ、そんなこと言うだなんて!くっ、インフルだ!マジ、インフル。明日仕事休もう。新型インフルだ!体温50度以上の、天使型インフルにかかってしまったあぁ!とりあえず、より悪化させるためにも、彼女の要望に応えなければっ)
園「わ、わわっ、あ、ありがとうございます」
倉「……」
(げほげほげほっ、重症だ。もう死ぬ、天使型インフル恐るべし。げほげほげほっ、血を吐きたい。彼女にベタベタし、クンカクンカし、ギュウギュウする度に天使がラインダンスを踊っている。穴という穴から、血液とか涎とか汗とか、体液噴出しそうだ。い、一旦、シャワーでも)
園「く、倉石さん。私も」
倉「……!」
(ぎゅうってされたああぁ!)
園「え!倉石さん、な、何で倒れて!?」
倉「……」
(天使型インフルの致死率100%だった)