うらばなし

ーー

紫暮宅。

紫「……しまった」
(ミネラルウォーター切らしてた。というよりも、冷蔵庫空だ。最近、雛の部屋でごちそうになっていたからな。雛の冷蔵庫はパンパンにつめておいたのだけど)

紫「仕方がない」
(作るのも面倒だ。雛が来る訳でもない、俺一人の夕食だ。コンビニ弁当で十分か。ああ、あと、何か買うものあったんだが、忘れたな。昨日あたりに、『買って来るか』と無くなった何かに対して思ったのに、何だったか……。

そういえば、雛の所のティッシュペーパーが無くなりそうだったな。買っていこう)

紫「ん?電話ーー雛からか。もしもし」

雛『ば、晩御飯食べましたか!?』

紫「直球で来るね。まだだよ」

雛『な、なら、今、ウチで鍋パーティーしているので来ませんか?』

紫「雛の誘いな上で手作り食べられるなら行くけど、鍋、『パーティー』か」

雛『はい!水炊きから始まり、闇鍋でしめる鍋パーティーです!』

紫「……」

紅葉『ちょっと、電話向こうでもあからさまに、「あいつか」な顔をしたのが分かったわよ!』

紫「思った通りの人物が出てきたものだから、今すぐ雛の顔で塗り消したいものだよ」

紅『あたしだって、本当は鍋パーティーにあんたなんか誘いたくないわ!でも、でもねえぇ!』

紫「なに?」

紅『ビールが切れたのよ!いい、買ってきなさい!発泡酒はダメよ!あれはビールじゃなあああい!』

雛『も、もみじちゃ、もう飲んじゃーーそれより、信治くんに謝ろうよ。コンビニでお酒買おうとして、あわや未成年飲酒の警察沙汰になるところだったんだから!』

紅『よおし、信治くん!あたしの身分証貸してあげるから、これで買ってきなさい』

信治『分かりました!紅葉さんのためなら、例え捕まろうともお酒を届けます!』

雛『だ、ダメだよ!あ、私が』

紫「こんな夜に雛は出歩かないように。俺が行くよ。酔っ払いに絡まれている彼女を助けるのは彼氏の役目だ」

紅『水炊きなんてなんぼのものだわ!男は黙って、闇鍋一択!』

雛『紅葉ちゃんは女だよーーって、紅葉ちゃん!なんで、私の洗濯物を鍋に!?』

紫「さて、銃刀法違反にならない刃物の長さは何センチだったか」

雛『紫暮さん!?』








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