うらばなし
アリス「あ、シャルちゃんみっけー!」
シャ「ぬ、小娘」
ア「だーれだ」
シャ「し、痴れ者めっ。そういうのは、姿を見られる前に目隠しするのじゃ!ーーって、そち!手が冷たいぞ!手袋は何処か!」
シュヴァルツ「アリス走るの早いねぇ。寒いから家にいようって言っているのに。犬みたい」
シャ「ど阿呆保護者ーっ!」
シュ「おわっ」
シャ「幼子にこれしきの防寒で外に出すとは何事かっ!見ぃ、小娘、鼻が真っ赤ではないか!」
シュ「ほんとだー。赤鼻のトナカイさんみたいだねー、アリス」
ア「シューくん、さむーい」
シュ「ほらほら、抱っこするから、俺の毛皮にでもコートにでも丸まってなさい。カンガルーごっこしよー」
ア「あったかーい」
ラ「あ、シャルも寒そうだね。抱っこする?」
シャ「触るな、盗人!」(べしっ)
ラ「君にちっちゃい子のあやし方を伝授してほしいものだよ」
シュ「んー、とりあえず、ニコニコとお菓子でいいんじゃない?」
シャ「そちは絶対、子供に好かれてはならん奴じゃな!アリスを離せ!」(げしげしっ)
シュ「いたいいたたた」
ア「じゃあ、シャルちゃんとくっつくー」
シャ「むっ」
ア「シャルちゃんも寒いから、これでポカポカになるね!」
シャ「に、人間の小娘風情がっ。わ、わしの餌でしかない生き物が!A型でなければ、食っておったところじゃ!」
シュ「アリスはA型だよ」
ア「え、アリスはA型なのー?」
ラ(吸ったんだ、この吸血鬼……)
シャ「え、A型など、お子様の飲み物じゃ!れ、レディたるわしは、迷わずB型!苦味あるB型じゃ!運の良い小娘よのぅ」
シュ「俺は血液型関係なく、それが美人なら嬉しいけどねー」
ア「シャルちゃんは、甘いの嫌い?」
シャ「そうじゃ。わしは、レディじゃからな」
ア「そっか……」シュン
シャ「な、なんじゃ。耳の垂れたうさぎのようになりおって」オロオロ
ア「アリスね、サンタさんからお菓子のおうち貰ったの。こーんなに大きいの。シューくんと二人じゃ食べきれないからみんなを呼んでたの。シャルちゃんいたから、シャルちゃんとも食べたかったのに、シャルちゃん、甘いの嫌いなら」ジワァ
シャ「な、なんじゃと、ジエロー!お主は甘い物がタベタイノカー!よ、よし、なら、イタシカタガナイのう。わしは大人の女じゃが、ジエロの面倒を見るお姉さんじゃから、そのお菓子のおうちとやらを食べようではナイカー」
シュ「うっわー、愛くるしいヘタクソ」
ラ「そんな君は性根が良いのか悪いのか、本当に分からないタイプだよねぇ」
ア「ほんと?アリスとクリスマスパーティーしてくれる?」
シャ「話が大きくなってないか!?に、人間風情のパーティーに、高貴なるわしが……、その」チラッ
ア「シャルちゃんは、アリスのお友達だから、来てほしい。嬉しいの!」ワクワク
シャ「ぬ、ぬぬ、盗人ーっ」
ラ「俺に助けを求めないでよ」
シャ「そ、そんなこと言っても。わしは、人間のクリスマスパーティーなど知らんのじゃ!な、何を着ていけばいい!?必要な物とかあるのか!」コショコショ
ラ「シャルはいつだって可愛い格好なんだから、そのまま行けば?」コショコショ
シュ「持って行く物なんて、子供は何も要らないよ。ここだけの話だけど、サンタは一人じゃないからね。お菓子のおうちだけでなく、色々こどもたちのために用意しているよー」コショコショ
シャ「な、なんと!サンタは多数おるのかーーって、貴様は加わるな吸血鬼いぃー!」
シュ「人のこしょこしょ話は進んで聞くものでしょ?」
ラ「やっぱり性根悪いねぇ」
ア「何のお話ー?」
シュ「シャルちゃんがー、クリスマスパーティー初めてだから、何着ていけばいいか分かんなーい。プレゼントも何も用意してなーい。なお話だよー」
シャ「言うなああぁ!」
ア「シャルちゃん、クリスマスパーティー初めてなの?アリスが教えてあげるね!えっと、まずはねっ、ご馳走食べて、プレゼント貰って、最後にケーキ食べるんだよ!行こっ、シャルちゃん!」
シャ「ま、待て、そんな説明ではーー盗人ーっ」
ラ「とりあえず、子供は楽しんで。でいいんじゃない?」
シャ「わしは、レディじゃー!」
シュ「あーあ、アリスもあんなにはしゃいじゃってー。シャルちゃんの保護者さんも来る?」
ラ「あー、俺はいいよ。少し用事出来たし」
シュ「もったいないねぇ」
ラ「早くに調達出来たらそっちに行くよ。大人は流石にプレゼント用意しなきゃ行けないから」
シュ「大人は大変だー。あ、因みにアリスは何でもいいみたいだよ。そっちのワガママなお姫様と違って」
ラ「B型と偽って渡さなきゃならないから、本当に手のかかるお姫様だよ」