うらばなし

依「蛇神（ミズチ）ちゃん、金縛り！」

渉「えっ」

冬「ね、姉さん!?」

依「秋月くんの言うとおりね。私たち見たら逃げ出す。その時は力づくでも止める気でいたけど」

渉「もっと別の方法はないんですかっ」

冬「っ、こんな金縛りごとき」

渉「ふ、冬月くんも無理しないで下さい！」（お、落ち着け。とりあえず、立ったまま金縛りされている冬月くんを横にさせて）

依「観念しなさい、冬月くん！蛇神ちゃんの金縛りから逃れても、今度は鬼神ちゃんのホールドで捕まえるわ！」

渉「冬月くん、依子さんの性格は会ったばかりでよく分かりませんが、大人しくして下さい。有言実行な人だと思います！」

冬「な、なら、二人とも出て行って！移してしまう！」

依「だから、わざわざマスク買って来たんじゃない」

冬「それでも移る時は移る！」

依「強情ねぇ、まったく。病人は病人らしく、介抱させなさい」

冬「でも、でも……っ」

渉「冬月くん。冬月くんもワガママ言いたいなら、僕たちもワガママ言いたいんですよ。勝手にやらせてもらいます」

冬「……、ごめん」

依「やっと大人しくなったわね。でも、私たちに移したくないとかでワガママ言った罰は受けてもらわなきゃならないわね！」（ふんぞりっ）

冬「ね、姉さんが望むなら、どんな罰でも。だから、きらわな」

依「嫌うわけないでしょ！あるのは怒りたい気持ちだけよ、バカ冬！バカなのに、風邪引かないでよ、ほ、ほんとに、し、心配した……！」

渉「僕も心配しかありませんよ」

冬「……」