うらばなし
ーー
リヒルト「トトちゃーん、クリスマスプレゼントだよ」
トト「えっ、えっ!プレゼント貰っていいんですか!」
リ「いいんだよ。クリスマスでなくとも、僕はトトちゃんに毎日プレゼントしたいからねぇ。はい、これ。トマトジュース」
ト「サンタさんの嘘つきいいぃ!」
リ「トトちゃんを泣かすサンタなら、僕が始末しておくから。ほら、飲んで。トマトジュース」
ト「と、トマトジュースって。すっごくドロドロしていますよ!」
リ「トマト100%使用だからねぇ」
ト「血なまぐさいです!」
リ「血なまぐさいトマトだったからねぇ」
ト「リヒルトさん、顔青いです!」
リ「まったく。疑り深くなったねぇ。僕がトトちゃんに嘘をつくと思うのかい?」
ト「そ、それは」
リ「僕はトトちゃんに嘘をつかないよ。これは、正真正銘のトマトジュース。だから決して、トトちゃんの好きな僕(A型)のあまーい血液じゃないよ」
ト「そ、そうですよね。リヒルトさんは嘘つきじゃないですもんね!では、いただきまーす!」グビグビ
リ「というのは、嘘でしたー」
ト「リヒルトさああああん!」
リ「どう?美味しい?まだまだ出せるよ
」
ト「えぐっ、うぅ、うそ、つかないって、言った、のにぃ」
リ「嘘をついた最後に『嘘でしたー』と言えば、それは本当のことになるよ」
ト「わあーん」
リ「よしよし。泣き終わったら、もっと飲むんだよ。僕はその光景をカメラに撮っているから」
ト「何でですか!」
リ「僕の血液を美味しそうに、喉を鳴らして飲み干すトトちゃんを永久保存したくてねぇ。僕の体内にあったものが、トトちゃんの胃に入り、分解され、栄養として君の体内を巡り巡る。指先一つ余さずに、僕の生き血がトトちゃんの中隅々まで行き渡る。髪の毛一本に至っても、僕の細胞から成り立つなんて、考えるだけでもーークッ」
ト「家出しますすすすす!」
リ「どこに行くの?外寒いよ」
ト「……、うわーん、リヒルトさんの意地悪ですー!」
リ「はいはい、よしよし」