うらばなし
しばらく、ロードより、冷めた視線を受け続けましたが、むしろご褒美と取ろうそうしよう
ーー
雨音「ふ、ふふふっ、やっと、やっとゴムパッキンのカビを駆除出来たあぁ!本日のノルマ達成!帰って宴だああぁ!ぐー」
新垣「仕事の達成感が行き過ぎて、寝ちゃうのは分かるけど、浴室で寝たら風邪引くよ」
雨「あ、新垣さん。おかえりなさい」
新「ただいま。ご飯にする?お風呂にする?このままベッド?」
雨「私の勤めを奪うので!?」
新「冗談も通じないか」
雨「仕事に冗談持ち込む余裕なんかないんですよ。そうだ、晩御飯出来ていますよ」
新「ハンバーグ?」
雨「一週間作り続けたので、勘弁して下さい……」
新「そう。でも、雨音の手料理なら何でも好きだから。早速ご飯にしようか」
雨「用意しますねー」
ーー
雨「私初!アボカドサラダです!」
新「……」
雨「あれ?新垣さん、アボカドサラダ嫌いで?」
新「そんなことないよ。雨音が作った物なら、何でも好きだ。いただきます」
雨「無理して食べなくても……。パクパクいきますか」
新「うん、やっぱり美味しい。後ね、雨音」
雨「はい?」
新「死んでも俺は、雨音に憑き続けて、寄ってくる男を呪い殺して見せるから」(バタンと)
雨「不穏な台詞言いながら卒倒!?ど、どどど、どうしたので!?新垣さんっ、新垣さんっ、新垣さああぁん!」
新「ごめん、俺。アボカドアレルギーで」
雨「だから無理して食べるなと言ったのにいいいぃ!きゅっ、救急車!110ーーじゃない、199じゃなくて、ええと!」
新「119」
雨「いちいちきゅううぅ!」
新「がはっ」
雨「なっ、血まで吐いて!そんなに酷いアレルギーなので!?」
新「いや、アレルギーで瀕死なのもあるけど、雨音の焦燥ぶりが可愛くて興奮したのもある」
雨「その興奮を、呼吸に持ってきて!虫の息じゃないですか!」
新「……」
雨「もしもしっ、救急車!話せないほど重症の患者が!」
新「……」
雨「早く来て下さい!なんか、吐いた血で『愛している』とか書き始める重症ぶりですから!ーーえっ、男の救急隊員を、へやに、いれたくな……こんな時に何言ってますかああぁ!」
※渾身の心臓マッサージにより、一命を取り留めました。