うらばなし
そこで悲鳴をあげては逆効果
ーー
トト「家出します!」
リヒルト「そう。出れないように縛っちゃおうか」
ト「ひっ」
リ「ーーと、思ったけど、たまにはトトちゃんも一人で外出したいよねぇ」
ト「えっ……、は、はい!」
リ「いいよ、行っておいで。暗くなる前に帰ってくることが条件だけど」
ト「ほ、ほんとですか!わ、わわっ、どこに行こうっ」
リ「明るい内となれば、今の時間なら近場だろうねぇ。そこら辺の散歩だけでもいいんじゃない?翼でパタパタして来たら?」
ト「そうします!わーい!」(パタパタ)
リ「……」
ラズ「わんっ」
リ「あえて小鳥を逃がして、我が家に帰って来るのを見るのもまた一興かと思ったのだけど。トトちゃんは可愛いからねぇ」
ラ「わんわんっ」
リ「お前は行かなくていい。僕が行こう。一人で寂しくなって、泣いて僕の名前を呼ぶ彼女も見てみたいから」
ラ「くぅん」