うらばなし
もはやイベントとか関係なく、恋人たちは愛し合うという法則が
ーー
雛(生チョコ作ってみたけど、紫暮さん喜んでくれるかな。ケーキは失敗したから、急遽生チョコにしたけど。今度は失敗しないようにしよう……)
紫「雛」
雛「あ、紫暮さん!すみません、いき、いきなり呼び出しちゃって」
紫「いいんだよ。雛が呼んでくれるなら、北極だろうと、仕事の会議中だろうと、飛んでくるから」
雛「会議中だったんですか!?」
紫「冗談だよ。俺も雛に渡したい物あったし、呼んでくれてちょうど良かった」
雛「あ、あの、これ!生チョコです!」
紫「ありがとう。一日かけて味わい食べるよ」
雛「ナマモノなので、早くに食べた方がいいですよっ」
紫「雛が言うなら。そうだ、これは俺から。逆バレンタインだよ」
雛「え、大きい箱」
紫「雛がこの前、雑誌で紹介されていたチョコケーキ食べたがっていたの思い出してね。限定5ホール、早朝から並んで買って来たんだ」
雛「……」
紫「雛?」
雛「……」(ぶわっ)
紫「な、雛!?なんで、泣いてっ」
雛「ご、ごめっ、ごめんなさいっ」(逃げ)
紫「待って、どうしたーー雛!」