うらばなし
扉書きと姫様日常編の関連性を求めてはならない掟が
ーー
ミナナ「さむい」
(依頼がある日に限って、雪が降るとは。日頃の行い悪いは……まあ、あながち間違ってないけど、本当に寒い。これじゃあ、部屋に戻っても凍死するかも)
ミ「そういえば、あの人の部屋……」
(ミナナが俺と同居するために、コタツなるものを取り寄せてみた。とかなんとかで、変な暖房器具を置いていたけど、まずい、コタツに入りたい。でも、このままじゃ、あの人の思うつぼで、なんかイヤだ。我慢しよう)
ミ「ついた」
(さむいさむい。早く部屋に入って、あれ、鍵開いている)
カルツ「……」(スピースピー)
ミ「……」
(不法侵入。にして、人のベッドで爆睡か。殺し屋として、どうなの。いついかなる時でも、誰に寝首かかれるか分からないのに。こんなに接近しても気づかないなんて)
カ「……」
ミ「……」
(今後の教訓のために、顔に落書きでもしようか)
カ「……ん」
ミ「は?」
カ「……」
ミ「え、あれ?」
(いつの間にか、抱き枕代わりにっ。腕掴まれて、そのまま布団に引きずり込まれたか。すごい、一瞬だ。本当は起きていたか)
カ「……」(スピースピー)
ミ「……」
(無意識で、ですか……。寝ていながらも、私を捕獲するなんて。いや、そもそも、寝ている人に捕獲される私もかなり未熟に思えてきたな)
カ「……」
ミ「……」
(叩き起こしたいこの寝顔。幸せそうに寝ている。でも、あったかい。部屋寒いから、ちょうどいい。そうだ、私が抱き枕じゃない。この人が抱き枕ーーいや、湯たんぽ。そう、湯たんぽ。だから、このまま眠ろう。そう、しよう)