うらばなし
ーー
冬「わたるんはーん、わたるんはーん」
渉「わっ、な、何ですか、後ろからいきなりーーえ、これ、眼鏡?」
冬「眼鏡かけた知的わたるんはん、眼福やねぇ」
渉「えっと」
冬「ああ、これで今日もわたるんはんは僕のラッキーアイテムどすえ。喧嘩なんかせえへんもんね?僕はわたるんはんの望み通りに動くさかい。嫌になるわけないよねぇ?」
渉「とりあえず、離れてくれたら……。本が読みづらくて」
冬「難しい願いやねえ。わたるはんがどうしても言うんなら、両腕切り落としてくることになるんやけど、ええ?」
渉「また極端な……。分かりましたから、冬月くんの好きなようにして下さい」
冬「わたるはーん」(ベタベタすりすり)
渉「……」
(くっつきは止めないけど、本を読む僕の視界に入らないようにして、かつ、左側でページを捲る手の邪魔もしないでしてくれている)
渉「冬月くん、せっかく来てもらったのに、昨日と同じく今日も構えませんよ?つまらないと思うので、良ければ冬月くんはテレビでも」
冬「これがええんどすえ。大好きなわたるはんと一緒にいることが、僕のしたいこと。本音を言えば、わたるんはんに構ってほしいんやけど、こうしてくっついているだけでも満たされるんやから、我慢出来るんどすえ」
渉「夏場になったら、大変そうですね」
冬「氷水被ってでも、わたるんはんとベタベタしますえ」