うらばなし
え゛っ。
「怪異について質問すれば、『じゃあ試してみる?』と言わんばかりに、怖い阿行さん――怪異を体験してしまうことも否めないかと」
は、はは……
私は問いかけの『答え』は知っていますし、何の問題も。
「怖いと分かっていても、終わりは来ると知っていても、お化け屋敷に足を踏み入れたならば恐怖で悲鳴もあげることでしょう。
阿行さんとて同じです。答えを分かっていても、怪異(恐怖)に会った瞬間に、あなたはへらへらと笑っていられますか?」
……。
「ですが、何故を解明するためにも行ってきてくださいね」
え、ちょ、おさっ、押さないでっ。
「それは押せというフリなのは承知の上です。どーん」
どわあぁっ。
「いってらっしゃい」