うらばなし
「のづっちさんは強烈でしたねぇ。まさか、ツンデレおねえキャラとは思いもしませんでしたよ」
どこをどうしてああなったのか、私にも分かりませんよ。
当初の筋書きで言えば、野槌はただの怖い妖怪で、見つかったら病気になることを踏まえて、冬月たちが奇襲をする。
そこから始まる怒涛な神狩りを予定していたのに……
向かってくる野槌、隠れる冬月たち。ああ、ここまでは良かった。私のイメージも的確に再現されて、杉をなぎ倒しながら登場した巨体が大きな口を開けて――
『ハアアァァィ、のづっちよおおんっ』だなんて叫んだんですよっ!私のイメージの中でっ、高らかとっ、野太くっ、やけに体をくねくねさせながらっ!
一瞬、自身の頭の出来事を疑いましたよ!