うらばなし


突風が吹いたときに、「きたか」とか黄昏てみたい。


「中二病に入っているぞ」


オリオン座を見て、「哀れな姿になって」と悲しみに暮れたい。


「そんな君が哀れだ」


横にいる猫に「もうお前の正体は知っている」と言ってみた。


「言ったのか」


無視され、毛繕いしてます。白々しい猫ですねぇ、まったく。布団に体だけを入れて、頭は枕に乗せ、私をべしべし退かせる傲慢ぶりなのに、まだ正体を偽って猫被っているんですよ。


「微妙に上手いことを言うな。ああ、だから、最後のだな」


< 406 / 1,773 >

この作品をシェア

pagetop