うらばなし
「ですが質問がありますからねぇ。答えを得るには相応の犠牲も致し方がないかと」
釣り合わない等価交換!?
あやつの私情はともかくとしても、なんで魔法使いになれないかぐらいは分かりますよ。
「とりあえずは聞きましょう」
そもそも魔法使いと呼ばれる人たちの条件は、“世界を使えるか”という点ですが、この力は何も身につけてなくてもいいんですよ。場合によっては創設者が“その術を与えますから”。
「おや、でしたらさざめきさんとて」
与えるにも条件がいるんですよ。子供にナイフ持たせたら危ないし、機械に弱い人にパソコン与えたらきちんと使えないだろうし、そんなわけでの条件ですが“与えられたら、きちんと使いこなせる人”に限定されます。
藤馬が選ばれたのが例ですね。あんな奴でも強い、“世界を使っても飄々としていられる器”とその力量に太鼓判を押されたからこそ、魔法使いとしての力を得ました。
もともと藤馬は呪術で生命をもてあそぶ――“使うこと”ができていましたからね、そこもまた魔法使いになるにはプラスになったかと。