うらばなし


――


ロード、願いが叶う魔法の紙だよー。


「……」


や、やめて、可哀想なものを見る目はやめて。


今日は七夕でして、この紙に願いを書けば叶うかもしれないんですよ。


「願い、か……。特にはないな」


クロスは姫の幸せを願いましたよ。


「単細胞童顔らしいな。俺の場合、何かに願うではなく、自身の手でやってみせるから。というよりも不確かな物に願いを託すならば、何事も自分でやる主義だ」


現実主義だなぁ。


「因みに、ビルディはなんと書いたんだ?世界平和か」


あ、はい。三人仲良く――じゃない、私も含めて四人仲良くいられますようにって書いてくれましたよー。


「……」


えへへ、姫にそう言われるとやっぱり嬉しい――って、ロード?それは姫の短冊で、ペンまで持って何を……


「……」(きゅきゅ)

あの……。


「これが俺の願いだ」


……。はい、承りました。




※クロスの名前に二重線が引かれていました。


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