うらばなし
詩リレー、蜩
蜩、日暮、ひぐらし。
定められたであろう鳴き声は、煩わしいほどに余生の命を存分に謳歌する。
これほどまでに存在感をアピールするのには笑ってしまう。
姿は見ずとも、鳴き声だけ聞こえるのが胸くそ悪く、ああ、僕以上に煩わしい存在やなぁと独りごちた。
逝きたがりやは笑う、生きたがりやに。
その鳴き声が笑われているとも知らずに。
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