うらばなし
ドーレミファ、ソーラシドー
「ちょっと、はじめてのおつかいをしたいと思います」
「姫、いきなりなんですか……」
「空波さんちで見たはじめてのおつかいが、思いの外楽しかったので私もやりたくなったのです」
「やりたくって……、姫がおつかいをですか?」
「いえいえ、私のはじめてのおつかいは百年前に成し遂げていますので、もうあの頃には戻れません」
「はじめてなら、やはり小さい子供に……って、百!?」
「なので、はじめてのおつかいで私は見送る役目をしたいと思います。百年前、幼い私におつかいを頼んだ魔王さんのごとき気持ちを持って」
「……」