うらばなし
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空波さんち。
「いやいや、なかなかだ。無知なる者こそあどけなく可愛いとは、私でもよく分かるよ」
……。
「純粋は六番目の特権だが、あれはフェレナンドと同じ。一人のフェレナンドだ。実意のありなしが混同している。もっとも、六番目はそれ以下に幼い故、“それらしく振る舞い、それらしくいようとそうなった”。ああ、なれば、六番目にもはじめてのおつかいをさせたら同じような癒しなりを感じるのか?いやいや、あの子は少々賢すぎるのだから無知ではない。つまりは味気ない結果が出よう。そうは思わないかね、親愛なる発端の一人よ」