うらばなし
「そうは言いましても、ジンさんがいるアイヴァンス邸はもっと豪華だと思いますし。まさかあなたの部屋に通すわけにもいかない。これぐらいの華やかさは普通かと」
そわそわしてしまいます。
「そもそも描写がありませんから、周りにはいつものうらばなしなんですがね」
貴族の応接間ですよ、ああ、ダメだ、手のひらに人の字を書きすぎて皮剥けた。
「しっかりしてください。今回はお客様歓迎だけでなく、600ページになった記念もあるのですから」
え゛っ、はやっ。
「やはり気づいていませんでしたか」
ええ……、ついこの前に、何味がいいー?と聞いていたのに、そうか、もう600に。