うらばなし
三分演劇、やってみた


手錠がとても似合いますよ、姫。


「外してくださいと言っても、無理なのでしょうね……」


そんな目で見ないでくださいよ。あ、いや、やはり、私だけをその目に写しなさい。


あなたが見ていいのは、この私だけですので。


「だから、こんなことを」


ええ。
あなたは、いつもいつも……いつもいつもいつも、私以外の人間を目にし、その月よりも優しい笑顔を振り撒いている。


私には、それが我慢ならないんですよ……。


腸(はらわた)が煮えくりかえるならばまだいい。感情に針を刺されて、もうトゲだらけなんです。


分かります?
分かりますよね、分かるでしょう、あなただって、私が別の誰かと話したら、そいつを殺したいと思うし、私を縛り付けたいと思うはずだ。

何せ、あなたと私は一心同体なんだから。ねえ、ひ、め。


「だから……やったのですか……」


はい?


「だから、あなたはクロスを殺したのですか!あんな……あんな残酷に……っ」


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