うらばなし
「何だったんだ」
『司』(つかさ)にしようと思っていたんですよ。文月の名前が出る前日まではその名で決めていたのですが……責められました。
「何に?」
悪夢に。
「……」
まってえぇっ、本当の話なんですっ。何の夢見たかは起きたときに飛びましたが、全身汗だく鼓動ドクドクの疲労感どっちりでは、かなりの悪夢だったのですっ。
「人の夢の話ほど、どうでもいいものはないんだがな」
それが文月の名に繋がるんで聞いてくださいよ。暑いし、オカルトっぽいのを話したいのです。
「悪夢はその文月が産み出したとでも言うのか」