うらばなし
――
「チビ太さん」
「にゃー」
「チビ太さん」
「にゃー」
「うー」
「うなんな」
「おしいっ」
「……、何してんですか、姫」
「おや、クロス」
「デブ太……じゃない、チビ太と一緒に何を」
「チビ太さんに芸を仕込んでいるのです」
「猫に、芸ですか……」
「猫をバカにしてはいけませんよ。お手やおかわりする猫はいますから。ただ今回、チビ太さんに教えるのは、合いの手なのですが」
「合いの手?」
「私が、『うー』と言ったら、チビ太さんには『にゃー』と言ってほしいのです」