うらばなし
あやつは、一枚も二枚も上手だった。


夜雨は好きだ。

静寂の波に波紋を起こすような、さざめきに聞き惚れる。

天から直接落ちる雨足はもとより、軒先から零れる大粒、葉を伝う雫の一つでさえも“音色”があり。


自然の合唱に、耳を傾けつつ、夢の世界に入るのは、至福の時であろう。


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