うらばなし
この輪をいつまでも、君のために書いていこう。
『わたるんといっしょ』の表紙を書き換えたんですがね。
「ああ、一新したな」
私め、あんな感じが好きだと、しみじみ思いましたよ。
「語彙が足りないと言いたいが……分からなくはないな。俺も好きだ、あの雰囲気は」
ええ。みんなして集まり、呑気な、どうでもいいことを喋る、そんなお茶の間風景――家族団らんのみならず、友人交えて、みんなから愛されるわたるんを思うと、ああ、もう、ぽろり。
「だから、君の『ぽろり』は、涙と思われないぞ」
表紙の中、短い文面なのに、『中指斬残』見たあとに読むと、「ああ」と思えてしまう。
文字数なんてそれほどないでしょうに、この彼らの会話文が「好きだ」と思えてしまう。わたるんが、この輪の中にいるんだと思えば、より愛しい。