うらばなし
どうせ、何もせずとも、『明日』にはなる。忙殺で死にゃあしないなら、とりあえず、『また明日』だ。
癒しを求めて、姫を抱く。
「テンポよく、さらりと、とんでもないことを言うな」(ガシッ)
離してください、ロード。もはやこれは、姫を抱かなければ、吐血してしまいます。
「萌え吐血する奴が何を言うか――と、だから行こうとするな」(ガッシリ羽交い締め)
ぬぐぐー。
「諦めろ。君の力で抜け出せるわけが」
押して駄目なら引いてみろver.逆!
「は?」
ロードぎゅううぅー。
「ばっ、俺に抱きつくなっ」
くんかくんか、すりすり、ぎゅうぎゅう。
「嗅ぐな、擦るな、堪能するなっ!」
ああ、広い胸板に、クッキー焼いていたであろう甘い匂い。温かさもあるし、ちょい筋肉質でも細いからごつくないし、もー、ぎゅーっ。
「っっ、いい加減に――!」
……。
「……」
……、ぐすん。
「……、はあ」
すみません。
「……」(無言なでなで)