うらばなし
「おや、ご存知ないので?」
「ううん。こどもはね、折ってもらう側なんだよ。大人と一緒に折り紙で遊ぶけど、折り方教えてもらうのはこどもなんだ。だから、覚えない。ずっと教えてもらいたいから」
「教えられる側で居続けたい、というわけですね」
「大人は分からないこどもに優しく教えなきゃ、こどもが分からないのは当たり前なんだから、覚えなくても怒っちゃダメ。こどもがねだるなら、笑顔で一緒に遊ばなきゃ」
「怒ったりなどはしませんが、ええと、ハーメルン。あなたが折り方知らないならば、私は別の方のもとに行きたいのですが。この手を離していただけませんか?」
「遊ぶの、いっぱい。行っちゃヤダ。こどもが遊びたがっているなら、大人は付き合わなきゃ。ねえ、お姫さま。ボク、退屈しているんだ」