うらばなし
「別の方と遊んでほしいのですがねぇ」
「お姫さまがいいなぁ。砂のお城作って、ご本読んで、ご飯食べて、一緒に寝て、そうしてまた遊ぶ。ボクが飽きるまで、ずっとだよ?こどもの言うことを、大人は無視しちゃいけないんだ」
「……これは、選択を誤ったのかもしれませんね」
「何して遊ぼうか、何してくれる?」
「では、鬼ごっこをしましょう」
「うん!するっ、お姫さまと鬼ごっこする!」
「鬼役は、ハーメルンがやってみませんか?私が逃げますので」
「ボクがお姫さまを追いかけるの?いいよ、分かった!」
「はい、では、この手を離してくださいね」
「うん。それじゃあ、十数えるねっ、いーち、にー」