うらばなし
「鶴?――ああ、紙遊びのあれか。簡単ではないか、ほら」
「魔術使って、鶴を出されても……」
「いくらでも出せるぞ」(ポンポンと)
「“世界の終焉たる災厄”は、人の気持ちが分からないのでしょうねぇ」
「手作りでなくては、心がこもってない、かえ?人の気持ちよりも、エゴであろうに。贈り物をするならば、こちらがいかに“苦労した”との心をこめて、相手に恩を売る気にさえも見えようよ。
苦労が大きければ、恩もまた大きくなる。恩着せがましい、真に相手を思うなら、苦労しない良い代物を送ればいいものの。あやつに恩(貸し)を作って、何かねだるのかえ?」