うらばなし
「自己満足転じて、自己欺瞞。自己欺瞞経て、自己嫌悪。さて、努力の成果なくとも、君はあまり気にしないたちだと思ったがな」
その努力すら出来ていない。努力する時間は全て、今の仕事に回してしまいましたから、『書く』ということが出来ていない以上、努力にはならない。
「ならば、今(これ)は『書いている』にならないかね」
あなたとの会話ごときで、『書いた』とは思わない。
「心外な台詞を出されたものだ。しかして、一理あるのもまた事実。私と君の会話など、『たわいない』と言えようからな。君が真に書きたいものとは違うが、見透かすよ。たわいないからこそ、気楽に書けるのは拭えない」
気楽ならば、努力ではないでしょうよ。あなたと会話するなら、物語書けとも叱咤したいですが、今の私に、真に書きたいもの――彼ら彼女らが、しっかりと読み手に“生きている”と思わせる文章が書けるかが分からない。