うらばなし
そうして、一番に多い数を折ったのは、無論。
「私ですよ。目を瞑ってでも、折れるようになりました」
そうですか、はい、あー、うん、はい。
「お前だから、姫に作ってもらったのに――むぐ」(ロードに口押さえられる)
すごいですねぇ。鶴の折り方なんて、知らないはずなのに、いったいどこで知ったんだか、私がいなくとも、あなたたちは生きていけるのに、まった、く、もう……
「生きてなどいけませんよ。あなたがいたから、私がいるのですから」
物語とは程遠い、自己満足の、たわいないあなたたちとの会話なはずなのに、表現したいほど愛しい――私だけの物語です、ねぇ。