うらばなし


『そんな、君が裏切るだなんて。有り得ない、有り得ないよ。だって俺たちは相思相愛なんだよ?


俺は君を裏切らない、ずっと傍にいたいと思っているし、死んでも愛し抜ける自信さえもある。

君だってそのはずだ、君の『愛している』を俺は一度たりとも忘れていないし、また聞きたい。聞きたいからこそ、俺は君を愛し続けていられるんだ。

なのに、ねえなんで……、裏切る?嫌い?別れたい?そんなはずない、なんでそんなこと……、俺はまだ、君が好きで好きで堪らないのに。抱きしめて声が枯れてでも伝えきれない愛があるのに、ああ、そうだよ、相思相愛なんだ!他の事実なんか要らない、必要ないんだ!

だからさ、ああぁっ、君にそんなこと言わせる奴――君をたぶらかした男がいけないんだね。そうだよねっ。

じゃなきゃ、説明できない!君の口からそんな言葉が出るだなんて、有り得ないんだ!

――あぁ、怒鳴ってごめんね。君には一切怒っていないし、もう大きな声は出さないよ。

だってこれから、また君に愛してもらうために――“ちょっと、出かけてくるからね”』



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