うらばなし
「んー、何もない明るい桜並木ですが?」
そうそれです。
映像として見れば、また新たなワードが出てくるんですよ。
誰もいない、明るいとはつまり昼間ということ。
更に言えば、青い空だってあるし、地面には花びらが落ちている映像となります。
文字での連想は安直ですが、映像での連想は情報が多くなる。
多くなった分、より聡明に読者にそのことを伝えられるわけですよ。
「なるほど、映像を出して、それを言葉にしていると」
ええ。
誰もいない静かな桜並木。音も立てずに花びらだけが存在をパラパラと地に落とす。青ではなく、蒼が似合う空はピンク色と混じり、世界を癒し色へと変えた。
などと、映像があればより鮮明なことが書けますね。
まあ、もっとも。上手い人はこれ以上にいい言葉が書けるでしょうがね。
「ふむ、あなたの頭の中は常に想像力が働いていると」
ああ、かもしれませんね。作家という名の幻想師ですから、私。
「厨二病ですねー」
名刺があったら迷わず幻想師と書いてみたいですよ、はい。