【完】私と息子に幸せをくれた人(中篇)
第1章―回り出したルーレット―
―回り出したルーレット―
―――春の匂いが漂う風を体に受けながら、私は学校の始業式をサボり、息子の零士と散歩中。
サングラス越しに微笑む私に、零士は最近、覚えた拍手をしながら「ひぁーひぁー!」と叫ぶ。
無邪気さに、私は救われる。
昨日の深夜の撮影で、疲れが溜まってたけど、どこかに吹き飛んだ。
「もうすぐで、零士も1才だね。早かったね」
私が零士を産んだのは、高2の春だった。
4月20日、私はたった1人で、零士を産んだ。
親は、気付いた時には居なくて、私はモデルとして所属する事務所の社長さんに、育てられた。
―――春の匂いが漂う風を体に受けながら、私は学校の始業式をサボり、息子の零士と散歩中。
サングラス越しに微笑む私に、零士は最近、覚えた拍手をしながら「ひぁーひぁー!」と叫ぶ。
無邪気さに、私は救われる。
昨日の深夜の撮影で、疲れが溜まってたけど、どこかに吹き飛んだ。
「もうすぐで、零士も1才だね。早かったね」
私が零士を産んだのは、高2の春だった。
4月20日、私はたった1人で、零士を産んだ。
親は、気付いた時には居なくて、私はモデルとして所属する事務所の社長さんに、育てられた。